友達幻想~人と人との<つながり>を考える~ 著:菅野 仁
おすすめ度
★★★★★★(満点)
最近良書を見つける能力が上がってきました。(笑)
感想
いい考え方だなあとひたすら読み入ってしまって、二時間ちょっとで読み切ってしまった超良書でした。
まず印象に残った考え方が「どんなに親しいひとでも『他者』であることを意識するべき」という考え方です。
(ここでいう「他者」とは、自分以外の人全員のことであり、「他人が口出しするな」というときの「他人」が持つマイナスのイメージは含んでいない)
どこかに「親友だから自分のことをわかってくれているはず」というような考えをもってしまうから自分の期待通りに相手が行動してくれなかったときにストレスを感じてしまうんだなと気づかされました。
逆に「自分の期待どおりに行動してくれた時は、ラッキー」ぐらいの方が楽だと思いました。
もう一ついいと思った考えは「『みんな一緒。みんな仲良く』というスローガンのせいで苦しんでいる子供もいるのではないか」というものです。
以下間接引用
ーーー小学校になる前に必ず聞かされる歌の歌詞『友達百人できるかな』にみられるように、今の多くの学校では「みんな一緒」「みんな仲良く」が押し付けられています。
「こいつとはどうしても仲良くできない」ってこともあるから、こうしたスローガンは、「みんなと仲良くできない」ことについて悩んでしまう子供を生み出してしまいます。ーーー(引用終わり)
この本を読んだ後に振り返ってみると、僕も「みんなと仲良くしなければいけない」という固定観念があることによって悩んでいた時期もあったなあと感じます。
どうしても合わない人とは、無理にかかわらないことも時には大切だと思いました。
ただ、「どうしても合わないひと」とも関わっていかなければならないのが社会であるから、「仲良く」はしなくてもいいけど、お互いに相手を傷つけない程度に「並存」することが大切。といったことも書かれていて、これからどう人と接すればいいのか頭の中で整理されて、気持ちが軽くなりました(笑)
本書では上の感想に出てきた「他者」や「並存」などの人間関係に関するキーワードを使って現代の人間関係についてわかりやすく意見が提示されています。
世界一受けたい授業で又吉直樹先生が紹介した一冊ぜひ読んでみてください!
とくに、学校の先生になりたい方に読んでほしいです!!!